あまがさの日記のようなもの

書きたい時に書く日記のようなブログです。

📕 書店をどうか助けて下さい

今晩は、皆様、最近本は読みましたか?

今回は本屋についてのお話です。出来たら多くの人に読んで頂きたいです。

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夜なので本屋の実情についてお話したい。本屋は瀕死です。

短縮営業になった事で少なくなっていたお客様がより一層減り、日々最低売上を更新しています。ジャンプコミックスの発売日は何とか元の売上に近付くのですが、どうにもなりません。

私の勤め先ではどうにもならなくなり色々と本が買いたくなるお得なキャンペーン(身バレ防止のため暈す)をしているのですが本当にどうにもなりません。

どうか、本を愛する皆様、書店を愛する皆様、文学を愛する皆様、お近くの書店に足を運び一冊で良いので本を買って頂けませんか。

ネットで本が買える時代です。中古の本が安く買える時代です。

ですが、数ある本の中から一冊を選び抜いて買う喜びを今一度思い出して欲しいのです。

本を買う時、皆様は何が決め手になりますか?
表紙、あらすじ、作者、題名、POP……様々だと思います。
因みに私は始めの一文です。

背丈もある本棚の間を歩きながら目に留まる本を探し、手に取り1頁目をひらき、魅力的な書き出しに心奪われる……そんな幸せな時間はきっと、ここでしか手に入りません。

買って読んでいない本が既にあるから今は…という方もいるかもしれません。

私も現在22冊ほど積んでおります。
積読は読書家の嗜み、問題ありません。

いつか読みたいと思う本が世界にこんなにもあるのだと思うと生きる喜びを感じませんか?

「本を読む」事も楽しいですが「本を買う」ことも楽しいんです。
そして「積んである本を眺める」事も楽しいですよ。

どこにも出掛けられないこのご時世でも本の中では何処へだって行けます。
遠い国に、海の中に、宇宙の果てに、異世界にだって、どこへでもです。

誰にでもなれますしね。ヒーローに、魔法使いに、世界一の音楽家に、高校生に、宇宙飛行士に、誰にでもです。

本は人を自由にすると思うので不自由を感じている人にこそ、触れて欲しいとも思います。

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(私の本当の積読タワー)(一枚目の画像は綺麗に撮れるように四冊抜いて撮影しました)(講談社学術文庫のことを豆腐と呼んでいます)

……三日前、ライバルだった書店が閉店しました。数十年間、本を売り続けた書店です。

当店の宣伝をするつもりは一切ありません。

これを読んだ方、近隣の書店に足を運んで頂けませんか。
書店が無くなっていく現状が耐えられないです。どうか本屋を助けて下さい。

もう紙の本の需要はないのでしょうか?

買った本の表紙を撫でる喜びを、頁をめくる音を楽しむ心を、本棚に並ぶ背表紙を眺め思いを馳せる時間を大切にする人はもう少ないのでしょうか。

娯楽が増えた現代に本はもう時代遅れですか?

電子書籍に移る人を見て不安になっています。

端末が壊れたり充電が切れたら読めなくなるけれど大丈夫ですか?引き継げるとか言うけど…10年持つんですか?30年引き継ぎ続けるんですか?

紙なら100年残りますよ?なんなら1000年、2000年残りますよ?

心に深く刻まれた大切な作品を手元に残さなくていいんですか?
死ぬ間際にあの一文が読みたい、あの言葉を抱いて眠りたいと思うかもしれない、その時に手元になかったらどうするのです?手元に実物があることで深まる愛があるでしょう?

電子書籍が便利なのはわかるんです。電子書籍を愛している皆様を侮辱する意図は一切ありません。

思想の違いですよね、本に何を求めているのかが違うのかなと想像しています。

手軽に読める、楽しめる、早く内容が知れる、場所を取らない。確かにメリットはあるのでしょうが…私からすると紙の本に優るだけのメリットではないから……きっと相容れないのでしょうね。

夜、眠る前に紅茶をいれ、本棚からお気に入りの短編小説を手に取り、一遍読み眠る。

そんな場面に求められるのは紙の本だと信じて止まないのですが、懐古趣味なだけなのかなぁ。私の価値観が古いだけなのかもしれません。

でも、でも!諦められない!!!私はとある小説に惚れて文学部に来ました。

百年前の小説を読み、千年前の宮廷文学を読み、二千年前の詩を読み、心揺さぶられるんです。

当時そうであったように、私も本を手に取りお茶を飲んで、本の中の世界に思いを馳せたい!

文学を下に見る風潮があることも知っているけれど、それでも私は文学を愛しているし、日本文学科に来たことを全く後悔してない。

文学は人と共にあり続けていると思っています。
何気ない一文が目にとまり、心が溶けるような、脳に刻み込まれるような、喜びを感じたことはありませんか?数千年前の人間の想いに触れ涙を流し、当時の価値観を知る。尊いとは思いませんか?

文学は「人の心」だと思う。だからずっと愛されてきたのでしょう。失いたくないんです。

確かに本屋が潰れたって文学はなくならないでしょう。そんな簡単に文学が無くなるはずがない。

でも文学に触れるきっかけが、その手で選んだ本を買う喜びを知らない子どもが増えてしまうのでは無いですか?

幼い頃に沢山本に触れられたから、私はこんなに本が好きになったんです。本屋で自分の欲しい本を買った時のことは忘れないでしょう。

絵本が私に本の世界への道を示し、一本の長編小説が私を文学の世界に引きずり込みました。

お小遣いが足りなくて本が買えなかったこともありました。古本屋さんで本を買ったことだってあります。中学生の頃は図書館で本を沢山借りていました。

古本を買うなとか本を借りるなとかそんなこと言うつもりは一切ないんです。

本に出会う場所を、作家を支える場所を、失いたくないそれだけです。

今、皆様が苦しんで居られるのは重々承知です。

本は嗜好品だと無くても生きられるとの御意見もわかります。

ですが、書店が存続し続ける未来のために本を買って頂けませんか。投資をして頂けませんか。

「書店員の呟き」にも書いたので其方を読んだ方からすると耳にタコかもしれませんが、言わせてください。

本は何にも変え難い宝物だと思うんです。

読んだ文章が生き方を変え、力となり、心の支えとなり、自らを助けると思うんです。
お金を失っても、大切な人と別れても、家が燃えたって自らが吸収した知識や経験は誰にも奪えないと思うんです。

そんな宝物を提供する場所を失いたくないんです。

電子書籍に押され、ネット通販に押されていた書店ですが、コロナにトドメを刺されかけています。
ばたばたと周りが倒れる中どうにか踏ん張っている書店をどうか支えて頂けませんか。

お願いします。どうかお願いします。皆様の優しさに縋るしかないです。

このブログを読んだ方が地元の書店で一冊本を買うだけで、きっと救われます。

ハードカバーで買ってくれなんて言うつもりはありません。コミック484円、文庫本なら700円弱です。

どうかよろしくお願いします。数年後、書店がある未来のためにお願いします。

普段あまり本を読まない方も大歓迎です。

何を読んだらいいのかわからない場合は書店員にお声掛け下さい。おすすめをお伝えします。

漫画でも小説でも新書でも絵本でも雑誌でも写真集でも詩集でも…他にも沢山の本が書店には並んでいて選び放題です。

星の数ほどある本の中から両手…いや…片手くらいに絞っておすすめしますので是非、書店員を頼って下さい。

私は喜んでお答えしますし、きっと他のお店でも同じだと思います。

最後に、書店員の敵についてのお話とお願いをさせてください。

信じられないかもしれないのですが、とてつもなく万引きが多いので万引きを見つけたら相手を刺激しないようにこっそり店員にお声掛けを頂けたらと思います。

万引き犯に向かって店員が指摘をしたところ本棚に叩きつけられ、犯人は逃亡したという事件もありました。

お客様の安全が第一です。店員にご一報くださると有難いです。こちらから警備員や警察に通報させて頂きます。

その店員は無事でしたが本棚に叩きつけられてトラウマになってしまったと思います。
犯人は警備員に取り押さえられ警察に引き渡されましたが、恐ろしい話です。
彼等はどうやら万引きした本を転売して儲けているようで……許し難いです。

ただでさえ本屋は追い詰められているのに、元々利率の低い本を取られたら店は潰れてしまいます。許せない、本当に許せない。嗚呼、絶対に許せない。

対策はしているのですがレジ袋有料化で増えた気がします。目を光らせているのですが予算の関係であまり人が雇えず負のループです。

お客様にこのようなことを伝えるのは情けないですしお恥ずかしいのですが、もし、怪しい人を見かけたら教えてくださると本当に助かります。

話がごちゃごちゃになってしまいましたが伝えたいことは以下の通りです。

「現在、書店は追い詰められています。どうか書店に足をお運び下さい」

どこかの町の書店でお待ちしております。