今晩は。寒い日が続きますね。こんな日はココアが飲みたい…。
さて、今回は七月頭に書いたレポートとも言えない謎文章を皆々様に共有します。
最近この手の投稿が多いのは卒業前にファイルに残るデータを整理しておきたいからです。暫く続くと思いますがご了承ください。
ではどうぞ!
私がこの文章を書こうと考えた理由は、就職活動中に人事の方々とやり取りしているメールの敬語に違和感を覚えたからである。
私の就職活動は先日漸く終わりを迎えたが、この長きに渡った就職活動で送受信したメールの数は二百件を優に超えるだろう。
毎日大量に送られてくるメールを死んだ目で流し読みしながら、違和感というか…表現が難しいのだが、文字が突っかかることが多々あったのである。
勿論、違和感のある言葉の全てが就職活動を通して出会ったという訳では無い。アルバイト先で当たり前に使われている接客用語にも日々違和感を抱いている。
そこで今回は、就職活動中に送られてきた違和感のある文章、就活生が送るメールの正解とされているが違和感のある文章、アルバイト先で接客中に使われている違和感のある言葉について述べる。
始めに、実際に私が就職活動中に触れた違和感のある敬語を二種類挙げる。
一つ目は採用担当者からのメールにあった「書類一式は、後日ご自宅にご郵送させていただきます。」という一文。
二つ目は就職活動生から担当者に宛てて送るメールの参考として乗っていた「面接のお時間を頂きまして、誠にありがたく思います。」という一文である。
私はこれらの文章は無駄に丁寧であり、不必要な語が含まれているように感じた。文法の誤りは無いのかもしれないが気持ちが悪い。
私が採用担当者の場合、一つ目の文章は「書類一式は、後日○○様の自宅に郵送致します。」と書き換える。
そして二つ目の文章は実際に「面接のお時間を頂きありがとうございました。」と書いて送信した。
次に、私の勤めているアルバイト先の書店で聞いたことがある違和感のある言葉を四種類挙げる。
一つ目が、会計後の「レシートを挟まさせて頂きます。」という言葉である。私は「挟まさせて」という言葉を口から発したくない為、「レシートを挟んでのお渡しです。」と言っているが、現在この「挟まさせて頂きます。」を使っているアルバイトは二人ほどいる。
二つ目が、支払いの際に使う「千円からお預かりします。」という言葉である。この「から」は何に掛かっているのか不明で使いたくないので「千円、お預かりします。」と言っている。私以外の店員全員が「〇円から」を使っていることも併せて述べておく。
三つ目が、お客様への確認をする際に使われる「〜でよろしかったでしょうか。」である。「よろしかった」の部分に過去形を使う意図が不明であり違和感がある為、「〜でお間違いないですか?」「〜でよろしいでしょうか?」という言葉を使っている。気付いた時には他の店員が使っている為、かなりの割合で使われていると考えられる。
四つ目は、「お返しの500円になります。」である。「なる」はどのような意味があるのかわからず、誤りだと感じている為、「500円のお返しです。」と私は言っている。しかし、「〜から」と同じく私以外全員が使っている為、接客用語として定着していると考えられる。
敬語について、文化審議会答申(2007.P5)には以下の記述がある。
敬語を用いれば,話し手が意図するか否かにかかわらず, その敬語の表現する人間関係が表現されることになり,逆に,敬語を用いなければ,用いたときとは異なる人間関係が表現されることになるということである。
文化審議会答申からもわかるように、言葉が相手との関係性に大きく影響を齎すものであると認識しているが故に、少しでも丁寧な言葉を使おうとする意識が働き、違和感のある敬語が増えているのではないかと考えた。
又、言葉は使っている間に慣れてしまい、表現に物足りなさを感じるようになることがある。
例を挙げるならば「めっちゃ」「めちゃめちゃ」「めっちゃめちゃ」があるが、始めは「めっちゃ」で足りていた表現も、慣れていくうちに表現として足りていないように感じてしまう。
この現象が敬語にも同じように起き、以前通りの言い回しでは丁寧さを感じられなくなり、言葉を重ねたり回りくどい言い回しになったりするのではないかと考えた。
私は違和感のある言葉が好きではない。しかし文学部での勉強をする中で、言葉が長い歴史の中で変化し続けてきたことを知った。
現在、違和感を覚える言葉達が数年後当たり前に使われ、数十年後には昔は正しかった言葉として残っている可能性を考えると一生、学び続けることが出来る面白い学問であるとも感じている。
好ましいとは思わなくとも、これからも変わりゆく言葉に寛容で在り続けたい。
【引用文献】
文化審議会答申(2007)『敬語の指針』p5
【参考文献】
井坂淳一(2016)『ここからはじまる日本語学』ひつじ書房