誰かに対して思ったことがあるが言う必要も無いなぁと思い、でも折角思った感情を捨てるのも勿体ないと思ってしまい悩んだ末に餞としてここに残す。
誰かさんが「自分を大切にしなきゃいけなかった、周りから人が離れていった、虚しい」と話すのを見た。
違う。人が勝手に離れていったのではなく、貴方自身が切り捨てた。
何を言う、自分のことを大切にしていただろうに。していなかったのは恋人以外との交流では?
人間関係リセット癖。数年前、貴方は思い出話は嫌いだと言っていた。
長い友人もいないと言っていた、過去の話なんてしたくないと。なるほど、それならばそれで良いのだと思う。
人は思い出を抱えて生きていくものだと私は思っている。でも貴方と思い出は共有できないようだ、ならば仕方ない、一時だけの友好を築きましょう、とその時思った。
依存体質。誰か一人に依存するとそれ以外が見えなくなってしまう。
これは人間関係リセット癖にも繋がっていて相手好みに自分を変えるから依存相手との関係が切れた後、その時期が黒歴史化してしまうのだろう。
恋人ができたと言われた時、おめでとうと伝えたけれど、きっと私との友好関係は切れるなと思った。
やはりその通りで、恋人に完全に依存し、友人関係を全て切り捨てた。
日常生活もおざなりになり、やらなければならないことを放棄していた。一瞬心配もしたがその道を進むのだろうと忠告もしなかったし、しても良いことは無いなと思った。
もし貴方との信頼関係が築けていたならば、目を覚ませと止めていたと思う。
貴方の世界は恋人中心に回っていた。なにかのイベントの時だけ一緒にいようと誘われても、それ以外の時間を共に過している友人が別にいるから貴方と一緒にいようとは思わなかった。
当然である。私には沢山の友人がいて、それぞれと友好関係を築いている。誰かさんに使っていた時間はもう別の人に使っていて、突然帰ってこられても開けられる場所はない。
自己評価が高すぎる。対等な関係が築けるならば共にいようと思ったが、そうでは無いなら不要なのだ。もし私の友人が貴方一人だけだったなら帰ってきてくれて嬉しいと思ったかもしれないが、そんなことは無い。去るものは追わない主義なんだ。
周りから人が離れていった?まるで被害者のような口ぶりだが、自分から切り捨てたことを忘れていないか。
今、友人を求めているのは恋人と別れたからであって、また恋人が出来たら友人は切り捨てるつもりでしょう?そのような人間と態々、信頼関係を築こうとする人はなかなかいないと思う。
切り捨てられるとわかっていて一緒にいたいと思えるだけの魅力が自分にあると思えるその感性は素敵だと思うが、客観視点そんなことないんだよなぁ。難しいよな、人間って。
今まで生きて来た道が現在の自分を作り、現在の自分が未来の自分を作る。
それに関わる人間関係もその歴史には付随しているのだと私は思っていて、良い人間関係の構築には相互理解が齎すお互いへの信頼が必要だと思っている。
信頼というのは時間を掛けて築くものだと思う。相手のことを少しずつ理解し、少しずつ信用を積み重ねて親しくなっていく。
私の思う人間関係とはそういうものであるが、違う価値観の人がいることも理解していて、違う価値観の人ともそれなりに親しくしているつもりだった。
ただ、やはり、一度壊れた関係の修復は難しい。
どうやら誰かはまた声をかければ友人に戻れると思っているようだった。私は凄く他人に優しいから誤解されたのだろう。それをとても残念に思う。
人間関係というは難しい。たゆまぬ努力によって実り、継続するものだ。
関係が途切れた時、途切れる寸前の状態のまま保存される訳では無い。
少しずつ干からびていく、風化して過去の出来事として保存される。そこに水を与えるのが思い出話だと思うのだ。
あんなことがあった、こんなことがあった、と共通する話題を出して当時の人間関係を思い起こし、この人は信頼出来る、と認識させるのでは無いだろうか。
楽しかった思い出を話し、またそんな関係になりたいと思えるようにする。
現在に疲れている人ならば尚更、過去の話題は染み渡り楽しかった思い出に浸る幸せをまた味わいたいと思うのではないか?
そもそも私と貴方にはそんな信頼関係があっただろうか。思い出を重ねる気がないと言われてから私は貴方と思い出を重ねていない。
私と親しくするとある程度のメリットが得られる。その中でも特に役に立つのは人間関係であろう。
私の友人である、という事実が貴方の友人を増やし、欲しかったものを手に入れる手助けになり、日々の楽しさにもなったはずだ。
(そこで関わりを持った人間と自分自身が交流を持つことで「私に与えられた関係」から「自分自身が築いた関係」に変わる。もし変えられたなら私無くしても成立するようになるだろう。)
勿論それは私に限った話ではなく、別の人間と友人であっても同じことだ。人間関係とはそういうものだと私は思っている。
そしてそれは友人だから私から提供されるもので、それ以外の人間に提供する気は無いのだ。
私は人類全てに優しくあろうとしているし、多分相当優しいと思うが、友人に提供しているものとはやはり違うだろう。
やはりそれも皆に共通するのではないだろうか。
一人に依存している間は、なにも変わらないと思っていたかもしれない。でも違うのだ。目が覚めた時、何も周りになくなって驚いただろう。
私の努力によって築かれていたものは全て無くなった。切り捨てたのだから当然であろう。友人以外に心を尽くす理由がない。
聞かれれば答えるし、助けを求められれば助ける、でもそれ以上はしない。
私は常にご機嫌である、特に人といる時はご機嫌になれるように意識している。だから周りからすれば何も変わらないように見えるのだろう。でも明らかに関係は変わったろう?
それでも私は誰かさんに優しかったと思う。その他大勢に向けた対応よりも少しだけ優しかったと思うのだ。
誓って私は貴方のことを悪く言ったことは無いし、誰に聞かれても褒め続けていた。表向き特になんの代わりもなく、ただ遊ばなくなっただけに見えていただろう。
私は人に優しくあろうと思っているから、貴方が嫌われないようにしっかりとフォローした。
私だけが覚えている思い出を抱きしめて、これが私からの貴方への最後の友人としての優しさだと思いながら、いい子だよねぇと言い続けた。
私は貴方に一切敵対していない、にも関わらず周りに誰もいなくなったのだから、私のせいではないよ。
それでもやはり自分は悪くないと思うのであれば気の毒だ。薄い関係を築いては捨て、築いては捨てて生きていけば良い。
ここまで長々と書いたけれど、つまるところ、私はもう誰かさんと遊ぶ気はないよってこと。
友人として過ごしていた時は沢山遊びに誘ったし、楽しいことも沢山提供したけれど、それは友人だからだよ。
去るものを追わない主義だから1度も追いかけなかったし、一切連絡を取らなかった。それが全て。
大切なものに失ってから気づく人間になるまいという自分への戒めも込めて。
きっとこの3000文字を打ち終わる頃には満足してしまって何も思わなくなってしまう。だからこそ今貴方への思いを綴り切らねばならない。
当時言えなかったけれど、今までありがとう。一度だって嫌ったことは無いよ、私の知らないところで楽しく生きていっておくれ。
貴方の未来に幸あれと嘘偽りなく思っているよ。素敵な友人とお互いを想い合える人に恵まれますように。
元友人より。