あまがさの日記のようなもの

書きたい時に書く日記のようなブログです。

今週のお題「ほろ苦い思い出」

苦い思い出ならいくらでも出せるのに、ほろ苦い思い出と言われると出てこない。

私がこれまでの人生で直面した苦境などきっと世間から見れば大したことがないのだろうと思って生きている。

それでも私にとっては苦しかったし命を削って乗り越えた出来事だった。震えを抑えながら挑み勝った時もあれば、平気なふりをして耐え忍び嵐が去るのを待った時もある。

後者を苦い思い出とするならば「ほろ苦い思い出」とは何だろうか。

明日はバレンタイン。恋愛話が適切なのであろうと推測して、おや、ほろ苦い恋愛話など私の人生になかったなと振り返る。

社会人になるまで一切恋愛に興味がなかったのである。この私の性質がほろ苦い恋愛を提供していたのではなかろうかとすら思う。そうだ、元友人の話をしよう。

私には元友人と呼べる男性が複数人いる。彼らはきっと私との思い出をほろ苦く思っているであろう。

彼らとの思い出は私にとってとても苦い。

私は特に容姿が良いわけでも成績が良いわけでもない一般的な女子学生だった。

そんな私ではあるが女子運動部の最大派閥であるテニス部に所属したというだけで、学内カーストで上位の方にいた(と思われる)。所属するだけで学校生活が送りやすくなるのだから所属してよかったと今でも思っている。

クラス替えがあっても必ず同じ部活の仲間がいる、その過ごしやすい環境で私はのびのびと楽しく生活していた。

ただそれだけで悲劇は起きない。これだけならただの明るい人である。

この苦い思い出は私の当時の趣味と性格、性質が切っ掛けで巻き起こったものだった。

当時の私は深夜アニメ、青年漫画にドはまりしていた。現在でもそうなのだが、所謂男性向けのハーレム作品が好きだったのである。

またガンダムにもはまっていた。家にこもってはいないが現在も立派なオタクをしている。

そして、性別関係なくみな友達になれると思っていた。もともと人懐っこく、今でも変わらず様々な人と交流を持ち仲良くなるのが好きだ。

トドメに、当時の私には恋愛感情が搭載されていなかった。自分が誰にも好意を抱かない故に周りも私を恋愛対象として好きになることはないと思っていた。

この三つが合わさり地獄を生み出してしまった。

さあ、目を閉じて学生時代を思い出してほしい。

眠くなる国語の朗読、黒板をノートに写すだけの英語の授業、教科書を出すのが面倒で隣の人と机をくっつけて見せてもらったり、まわって来た手紙に返事を書いて消しゴムに括り付け、先生の目を盗み友人に投げつけたりしたあの日。

休み時間、教室の後ろの黒板の前にたむろする運動部男女混合グループ。学校行事で大張り切りする楽しい集団。あの中に私はいた。

私は自らを陽キャだとは決して思わないが、私の所属していたグループが陽キャ集団と呼ばれるものであるのは間違いなかった。

そこに所属する私がアニメ・漫画好きだとどうなるか?単純な話である。クラスが軽くオタク化する。

クラスのリーダー、陽キャ代表のバスケ部主将(仮名:主将)は私の勧めるBL漫画を読み、クラスの男子相手に漫画の再現をして私を喜ばせていた。

私は歓喜したがこれはまずいと思い、相手役にさせられた男子にフォローをしにいく。主将が別の相手を選んでBLごっこをする。その人に私がフォローをしに行くということが繰り返され、最終的に少し大人しい特定の男子(仮名:メガネ君)を相手にするようになった。

流れで私に壁ドンだの顎クイだのお姫様抱っこだのをしてくることもあったが、壁になりたいオタクである私にはときめきなど感じる感性はなく、あきれ返って振りほどいていたのでBLごっこに拍車がかかったのであろうと推測している。

(主将は驚くほどにかまちょだった。何故あそこまでサービス精神が豊富だったのか今でも謎である。)

主将がBLごっこをするので別の男子も仲の良い男同士でBLごっこをしだす。また男同士のイチャイチャエピソードを私に語るようになり最高の循環が起きていた。

今考えると異常な空間だったと思う。(同窓会でも当時の推しCPがイチャイチャとファンサをしてくれた、眼福である)

それだけではない、クラスで深夜アニメ話をすると私がうきうきとその人に話しかけに行き、休み時間中ずっとその話題で盛り上がっていた。

主将とその取り巻きがオタク君達と私の関係を冷やかすこともあったが「A君はB君とラブラブなんだから私を混ぜて妄想しないで!」と怒っていた、絶対間違っていた、認知の歪みである。

何話してんだよ~とつつきに来ても「〇〇くんとアニメのお話してるんだから邪魔しないで!」と追い払っていた記憶が蘇る。

とても楽しい学生生活だった。

ここまで男子生徒の話をしたが、実際ほとんどの時間を女テニの皆と過ごしていた。部活を引退するまで毎日朝練も夕練も土日も全部部活に費やした。

休み時間は男女関係なくクラス皆とお話ししていたし、移動教室は仲の良い女子生徒とべったりだった。登下校は今でも仲良しの女性四人グループで動いていた。

女テニのみんなはとても明るく楽しくてかわいい子ばかりだったし、後輩にも恵まれて特に親しかった後輩のことは溺愛していた。

部活、辛い時もあったけどなんだかんだ楽しかったなぁ。

その合間に上記のような男子生徒との交流もあっただけのことだった、穏やかで楽しい学校生活、ただそれだけのはずだった。

異変が起きたのは卒業以降である。

­­1人目

卒業したら話したいことがあるとメガネ君に言われた。もしかしてBLごっこの相手にされて嫌な思いをしているのではないかと心配したがそうではないと言われた。

呼び出されて話を聞いてみれば告白だった。

勿論お断りである。

「えぇ?!主将と付き合うんじゃないの?!!!」と言ったら苦笑された。二人のBL漫画を描いて申し訳ありませんでした。

どうやらクラスの誰か(教えて貰えなかった)を気にして卒業までは告白できなかったらしい。もしかしたら私の知らないところでいじめとかあったのだろうか。

気を使っていたつもりだったけど気づけなかったのかなと落ち込んだことを思い出す。

2人目

オタクのA君に私の好きなアニメの聖地巡礼をしようと誘われた。何それ楽しそうと遊びに行くとアニメゆかりの神社に連れていかれ告白された。

勿論お断りである。

涙を流すA君になんだか刺されそうな気がしたので一生懸命慰めつつ、しっかりお断りしたのだが毎日のように長文ポエムメールが届くようになった。

そしてある日の朝、カーテンを開けると窓の外にA君が立っていた。

我が人生における一人目のストーカー誕生である。

家に案内したことなどないので年賀状で住所を確認しやってきたものと思われる。

当時、父は単身赴任で家におらず守ってくれる人は誰もいなかった。母も私も殺されるかもしれないと不安に思う夜を過ごし、とにかく強そうな人に助けてもらわねばと主将を召喚。

主将の提案の通り、お話ししながら家の周りを散歩していると、その様子を目撃したA君はすぐにいなくなり二度と現れることはなかった。

成人式の数日前、突然電話が掛かってきたことも思い出す。

3人目

卒業後の暇な時間、私はガンダムオタク(仮名:ガンオタくん)に誘われてガンプラ制作をしていた。ガンオタくんの家には専用の塗料や専用のスプレーなど沢山の道具があり面白かった。

告白→お断り→縁が切れるという流れが続いていたため、この時期から「恋愛感情を抱かない」ことを公言するようになった。

同時に「私のことを好きになって友達でいられなくなるのが辛いから好きにならないでくれ」ともいうようになった。

ガンオタくん宅で黙々とガンプラを組んだり、ガンオタくんとその友達(仮名:明治くん)がガンダムのゲームをするのを眺めたりと楽しい日常を送る中で事件は起きる。

勿論、遊んでいるのもガンオタくんの実家である。親御さんがいるタイミングで遊びに行って、妹ちゃんとも仲良くしており問題ないと思っていた。

遊ぶ頻度もそこまで高くなく、おかしなことにはならないだろうと思っていたのだが考えが甘かった。

ある日突然「お前のことが嫌いだから2度と連絡するな」というようなメールが届いたのだ。

衝撃だった。親しい友人だと思っていたのに何故?私が何かしてしまったのだろうか?

ガンオタくんには連絡が取れないので、共通の友人である明治くんに確認すると「自分からは何も言えないがお前のことは友達だと思ってる。ガンオタと3人で仲良くするのは無理だが2人ならいいよ。」と。

それからガンダム関係の話は明治くんとするようになった。ガンオタくんに何があったのかわからないが去る者は追わず、興味も失った。

2年ほど明治くんと仲良くしていたがついに縁も切れ、ガンダム友達がいなくなったなぁと一人で鉄血のオルフェンズを楽しんでた時期、突然意味不明な連絡が来た。

ガンダムオタク仲間、つまりガンオタくんと明治くん、そのグループに所属していた煙草を吸う男(仮名:タバコくん)から卒業以来初のline。

ガンオタのことで話があるからお茶しない?と。「ガンオタくんについてはどうでもいい。タバコくんってガンダム好きだよね?オルフェンズ見てる?」私はとにかく鉄血のオルフェンズの話がしたかった。

学校帰りに待ち合わせのカフェに行くと、開口一番「ガンオタはお前のことが好きだった。喧嘩別れのような形になってしまっているがやり直したいと言っている。仲良くしてやってくれないか?」

勿論お断りである。

好意を持った相手を傷つけておいて実は好きでした?純粋に不快。何があっても貴方を好きになることはない。

数年前までガンオタくんからの無言電話が掛かってきていたこともここで述べておく。何が目的なのだろうか。

4人目

久しぶりに会ったタバコくんとガンダム話で盛り上がり友好関係を築くことに。

「絶対に何があっても好きにならないので、タバコくんも好きにならないでね」「誤解をさせるような言動・行動があれば教えて、すぐやめる」「これ以上ガンダム友達を失いたくないので裏切らないでお願い」「会計は絶対割り勘」「女扱いしないで」「食事をするなら居酒屋かラーメン」「歩幅が合わないから現地集合で」「タバコを吸う人は恋愛対象にならない」「そもそも恋愛感情がない」「むしろ女の子の方が好き」「だから私には恋人がいないしすべて断っている」と考えうるすべてのフラグを折って挑んだ。

結論から言うと敗北した。

「自惚れるな、お前のことなんて好きになんねぇよ」と言っていたから安心していたのに。

大学の4年間、友人として過ごせて楽しかった。ガンダムの映画(ハサウェイ)を観に行った。百合同人を見たいというのでアキバの百合同人ショップに行った。私の推し作品(幼女戦記)を布教して映画も展示も観に行った。

余計なことはせず、目的を済ませたら帰るスタイル。ポップコーンやジュースも買わずに映画を観て、食事もとらずそのまま帰る、駅解散。

誤解を生むようなことはなかったはずだった。

飲みに行くこともあったけど2時間飲み放題、それで解散。なんのやましいこともなくただ飲むだけだった。完全割り勘、絶対に誤解されたくなくて端数は私が払っていた。

だがそれでもだめだった。

社会人になって1年目。夏祭りに誘われたとき、まずいと思った。

勿論お断りである。

そして崩壊した。まさか、まさか、まさかである。ショックだった。幼女戦記の話ができる唯一の友人だったのに。

タバコくんは彼女が欲しいと言ってマッチングアプリをしていると言っていたし、モテるためにはどうしたらいいかを聞いてきていたので色々とアドバイスをして応援していた。

そもそも、好意を抱かないと明言して仲良くし始めたのに、すべて忘れてしまったのだろうか、覚えていてこうなったのだろうか。

私の何が足りなかったのだろうか。私の何が欠けていて友人でいられなかったのだろうか。

私は友人として魅力的ではなかったのだろう。一人の人間として友情を築くことができない程度の人間だったのだろうと思うと情けなかった。

また地元を離れる切っ掛けにもなったようで引っ越していった。

5人目

とてもしんどいので割愛する。

結論から言うと、ストーカー二人目の誕生である。

絶望。最近の話だ。いまだに恐怖に怯えている。

何度告白を断っても諦めず、会話が成立しなかった。助けてほしかった。今までで一番タチが悪かった。両親にも相談せざるを得ず、周りの友人にも協力を仰いだ。

詳しいことを書いて私のブログだと特定されても困るので詳細は割愛する。

 

上記、5人の元友人との苦い思い出話達。

書き連ねたうちの何人かはもしかすると、これらの記憶をほろ苦い思い出として記憶しているかもしれないなと思って書き始めたが、個人によってかなりの差があるな。

これらの経験で私が学んだことは女性と接する時のように男性に接してはいけないということだ。

適切な距離、適切な態度が大切。

高校入学後はとてもとても気をつけていた。クラスメイトに野球観戦に誘われた時も距離感には気をつけていた。

本を貸し借りしていたクラスメイトに対してだって誤解のないように接したつもりだ。

それらの経験も踏まえて、相手の性格・状況によって適切な距離が違うということを学んだ。

現在の私はきっと彼らは友人ではなかったのだろうと思っている。彼らは私に対して友情を抱いてはいなかったのだろう、と悲しい事実に気づいてしまった。

当時は男に生まれればこんなことにはならなかったのに、と悔いていたが違う。

交際をお断りした後も友好関係が続いている友人もいる。お互いに恋人ができても態度は変わらず連絡を取り合うような関係。

こんな関係を築ける人も居るのだからやはり個人差なのだろう。

友人とは有難みを忘れず今後とも親しくしていきたい。

 

私が恋愛について考える時、脳内に思い浮かぶのはかわいい恋人の笑顔だけだ。

恋愛経験の少なさ故かもしれないが未だほろ苦い恋愛なんてしたことがなく、可能であれば今後も変わらず甘い砂糖菓子のような恋愛をしていきたい。

苦い恋愛(一方通行)はもうたくさん!

 

今週のお題「ほろ苦い思い出」