あまがさの日記のようなもの

書きたい時に書く日記のようなブログです。

✏️レポートよ、安らかに眠れ

こんばんは。

今回は私が書いたレポートが日の目を見ることなく消えていくことに寂しさを感じたので、書いたものをそのまま貼りたいと思います。

旅行記に全く関わりはないですし、フェミニズム的な思想が受け入れられない方には不愉快な内容かと思います。

又、大西巨人ガチ勢に見られたら「こんな事書いてない!」と怒られてしまうかもしれないような内容のレポートとなっております。

言い訳をするなら、大西巨人五里霧について、Google先生に聞いても全然ヒットしないから(大量に提出したレポートの中でもこれを)載せたくなってしまったんです!ごめんなさい…。

無学な小娘が囀っているなぁとでも思ってください。

※本人も自覚するほど出来の悪いレポートです!期待しないでください!

(学生の皆様、コピペは必ずバレますし、最悪退学になるので辞めましょう)

それではどうぞ↓

大西巨人五里霧」を通して見る 性暴力とジェンダー
 
本レポートでは、性暴力とジェンダー、その問題について考えていく。

2019年3月、性暴力に関係する裁判が行われ、静岡地裁浜松支部名古屋地裁岡崎支部福岡地裁久留米支部の3つの事件で無罪が言い渡された。その判決のどれもが被害者は女性で、強制性交等罪に関するものであり、被害者が抵抗したか否かが問われた。

名古屋地裁岡崎支部静岡地裁浜松支部福岡地裁久留米の判決では、それぞれ以下のような判断がされている。

「事件の前に、大きなあざができるほどの暴行はあったものの、性交を受け入れざるをえないほどの恐怖を感じさせるものではなかった。」

「被告が加えた暴行が女性の反抗を困難にすると認識していたと認めるには、合理的な疑いが残る」

「女性が拒否できない状態にあったことは認められるが、被告がそのことを認識していたと認められない」

以上の判決は、被害者女性の立場で考えれば出てこないであろう言葉だと感じる。自分が強者であるが故、弱者の思想がわからないということなのではないかと考えた。

上二つの名古屋地裁岡崎支部静岡地裁浜松支部の判決は、自分より体格の良い人間に襲われた時に動けなくなったり抵抗をすることで命が狙われる可能性を感じ抵抗できなくなったりすることは想像に容易いにも関わらず、性犯罪だからと軽く見て下した判断なのではないか、無意識下にある女性軽視があるのではないかと考えた。

一番下の久留米の判決に至っては理解が困難である。相手が嫌がっているとわからなければ暴力を振るっても良いと言っているように取れる発言であるとも思った。

大西巨人の小説に「五里霧」という作品がある。この作品は1994年に執筆されたもので実際にあった事件をモデルに書かれている。


下村「(貴方は)犯人が強盗殺人の罪を認めて強姦の罪を認めなかったのは 『事の真相が強姦ではなく和姦であったことを物語るとしか私には考えられなかった』と結論的・女性侮蔑的に断言なさっています。」p.169


高宮「そうとしか考えられなかった。いまもそうとしか考えられない。そんな私を非難するなら、あれが強姦であって和姦ではなかった、ということが徹底的に、言うなれば、法律的にも倫理的にも!!証明されねばならぬでしょう。私の記憶するところ、あの犯人は強殺罪で死刑になったのであって、強姦罪については明確な判定が出なかったのではないですか。」p.170


姉が押し込み強盗の被害に会い、その上、性暴力を受けたと主張する下村と、その事件の新聞記事を見てコメントを出した主人公の高宮の会話のシーンの抜粋であるが、作中で強盗の犯人たちは強盗の罪は認めるが性暴力については認めず和姦だったと主張しており、裁判官や主人公の高宮、被害者の夫も犯人の発言を信じている。台詞の通り強姦罪(現代の強制性交等罪にあたる)の証明の難しさがよく分かる。


下村「実は、あの強姦された細君というのは、私の姉です。犯人は処刑されましたが、姉と姉の夫との仲は、事件後三年にして、ついに最終的に破綻しました。姉の夫は、姉が強姦されたことを信ぜず、 『事の真相』を、ほぼ高宮さんと同様に考えて姉に対したのです。とうとう夫婦が離婚したのが、事件三年後のことでして、そのさらに一年後に姉は投身自殺をしました。遺書でも、姉は、例の件が徹頭徹尾 『強姦』であって決して 『和姦』ではなかった、ということを切切と訴えていました。」p.170
 
  被害者である下村の姉は強姦だったと訴えたにも関わらず裁判官や夫、物語の主人公である高宮などに信じて貰えなかった。事件を切っ掛けに夫婦仲は悪化し下村の姉は最終的に自殺した。下村の姉の夫は、妻を失った事で生活が荒みアルコール依存症になって早死するが、最後まで強姦だったとは認めなかった。性別役割分業の意識が高く、被害者である下村の姉も全ての家事を担っていたと考えられる。又、夫は下村の姉の死後、生活が荒んだことからも自分の面倒を見れない男であると判断できる。女は家、男は外という意識が根底にある作品であると感じた。

何故、信じないのか、信じられないのか、について考えた時、彼らは証明ができないからだ。と言うが、証明が出来ないことだからこそ丁寧に話を聞いていかねばならないところを、このように決めつけてかかり被害者の心を傷つけ命まで失わせる。現代の性被害者に向ける考え方と何ら変わらず26年前から進歩しない現実に悲しくなった。セカンドレイプという言葉もない時代、被害者の受けた精神的苦痛はどれ程のものだったのか想像も出来ない。

これを主張したのが男性だったならば考えは変わっていたのではないかとも思う。「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉があるように「本当は嫌がっていなかったのだろう?」と言うのである。女は自立した意思を持っておらず、すぐ流されるというような発言も作中に見られた。女はこういうものだ、というステレオタイプに女性を押し込め、自分の妻よりも犯罪者の男の発言を重んじることからも男尊女卑の思想が透けて見える。

この作品では主人公の高宮は結局、被害者の気持ちを理解せず終わる。どちらが悪いとも書かれず、筆者は実際起きた事件に対して、高宮と同じような考え方をしていたのではないかと考えられた。

又、ステレオタイプについてであるが、現代、テレビや雑誌などで「女子力」「モテるファッション」「愛され女子」という言葉を見掛ける。これらは男性に女性が選んでもらうという思想が見える。

女性に優しさや母性、料理の上手さを求める姿勢や「強い女」はモテない、結婚「しない」ではなく結婚「できない」という特集もあり、産まれてから成長する過程で触れることが多い媒体に女性に対するステレオタイプの押しつけがあるように思える。

私は本屋でアルバイトをしているが、女性向けのエッセイコーナーには上記の内容の書籍が並んでいる。これらの意識を無意識に刷り込まれていて、違和感を覚えた時には周りはそれを普通と受け止め、搾取される側、奉仕を求められる側にされている。普通と受け止めているからこそ本が出版され本屋はコーナーを作り女性に売れている。

この現状はおかしい、と認識し訴えても「フェミニスト(笑)」と揶揄されることも実際にあり、女性の立場を少しでも向上させようとする発言や行動への反発は大きい。

以上のことから、性犯罪を感情論で判決を下すことは間違っていると思うが、証明できないことを証明させなければ罪には問えないとするのは誤りだと考える。
証明できないことで判断する現在の裁判の方法は問題であり今後、変えていく必要があると思う。性犯罪を軽んずる考え方、女性軽視があるからこそこの様な判決になるのであって、男女平等を訴える現代にそぐわないと考える。
判断を下す側、発信する側に男性が多い事も原因であると考えられるので裁判官や発信者に女性を起用する必要があると思う。男性だから女性に寄り添えない、女性だから男性に寄り添えないということは無いと私は考えているが、現状を打破するためには女性の立場向上が何よりも大切だと思う。
強者だけではなく弱者に寄り添う裁判でなければ事件は無くならないのでは無いだろうかとも考える。

解決策として、今の私ができることは男女平等を真剣に考えてくれる政治家に投票することだと思う。実際に私は選挙権を得てから1度も欠かさず選挙に行っているし、今後も欠かさずに投票に行く。過去、女性が参政権を勝ち取ったように私たちは戦っていかなければならない。女性を男性より強い立場にしたい訳ではなく、ただ同じ高さに立ちたいだけであり人間として当たり前の事だと思う。
又、刷り込まれてきた価値観を壊すことは難しいがSNSという誰もが簡単に発信できる媒体を使って間違っていることは間違っている、偏見であると声をあげていきたい。
 
 
参考文献
 
大西巨人(2005)『五里霧講談社
 
毎日新聞 準強姦で起訴の男性会社役員に無罪判決 地裁久留米支https://mainichi.jp/articles/20190312/k00/00m/040/099000c (2020/1/10最終閲覧)
 
産経新聞 女性に乱暴、無罪判決 男性被告の故意認めず https://www.sankei.com/region/news/190320/rgn1903200040-n1.html (2020/1/10 最終閲覧)
 
NHKクローズアップ現代 “魂の殺人” 性暴力・無罪判決の波紋 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4281/ (2020/1/10 最終閲覧)
 
有識者の皆様大変申し訳ありませんでした。

学生の皆様、私の意見を鵜呑みにしないでしっかりと本を読んで下さい。

(因みに後期の授業では概ね良い評価を頂きました。先生方、本当にありがとうございました♡)

これから五里霧を勉強する学生を混乱させるレポート…楽しんで頂けましたでしょうか?

ここまで読んで下さりありがとうございました。次回はきっともっと楽しい内容になるはずです。

お楽しみに🧸🍒